親子という「不純」な関係
- 2018/02/11 心理学 母として思うこと
ゲスであろうと
大人の恋であろうと
不倫こそが純粋な関係性である、という
昨年から今年にかけてちょっと流行っているような話題を入り口にしてしまいますが…。
あなたと私のこの関係がすばらしいから、その理由だけで一緒にいる、ということを
「純粋な関係」とよぶなら
(つきあうのも、わかれるのも決めるのは自分の意思のみで決めることになるので極めて不安定で継続性は困難ですが)
この子を産むことになったのも
この夫婦のもとに生まれてくることになったのもどこにもお互いの自由な選択が介していない「親子関係」というのは
(…子供は親を選んで生まれて来てくれた神様からの贈り物、という考えがあることは承知してますしわりと好きですが、ちょっとここではpendingさせてくださいね)
不自由の極致であり「不純」極まりないものであるといえるようです。
(不純ゆえに、安定しているともいえるわけです)
東畑開人先生(*記事下部参照)の講演を聴いて来ました。
医療・社会学・人類学とを精査、網羅しながら
スピリチュアル、宗教をも含む大きな視点から心理学を語られる先生の大ファンなのですが…。
現代の親子関係を考えるにあたっての一視点として
持ち出された話題です。
先生のお話はここから
こうした「不純」に直面してしまった現代の親子の傷つきの連鎖
(自由に価値を見出している以上、これは当然の流れです)
といったことに進んでいくのですが
それは別の機会にお伝えさせていただいて。
不登校やひきこもりに直面するお母様方とお話しする中で
感じ、また、自身の記憶にも心当たりがあるのは
軋轢の中で一瞬よぎることのある「この子憎し」の気持ちが(愛の裏返しであるから始末に悪い;)
「親子」という切ることのできない「不純な関係」であるからこそ
さらに大きく、深くなり
その反響は大きく自分を責めていっているという図式です。
親子という不純な関係は自由な意思が介在しない分、
境界線が見失われがちです。
この子は何がしたいのか?
この子はどうなっていくのか?
この子はなぜこうなのか?
「この子」の問題と思って悩んでいる事象は
本当にお子さんに引き起こっていることですか?
もしかしたら
お母さんご自身やご家族にあるなにかを
写して見ているだけではないですか。
そして、不純な関係って
なんとも愛おしいし、美しい✨んですよ。
だから
離れがたい。
でも
そこが見通せると、なんだか急に糸がほぐれ始めます。
これね、本当にわかりにくいんですよ。
遠目からだとけっこう見えるんだけど自分は自分からなかなか離れられないですしね。
だって、そこも自由意志では切るに切れない不純な関係だから。
そういうときに使うんです、
カウンセラーとかコンサルタントとかって。
どうにも切れない関係ならば
お互いを愛おしみながらうまく生きていきたいですよね。
☆東畑開人(とうはたかいと)先生
教育学博士 臨床心理士
白金高輪カウンセリングリーム
著書:「野の医者は笑う」(誠信書房)「日本のありふれた心理療法」(誠信書房)
*若くてイケメンで話が面白い!
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