ブログ:カサンドラ症候群と「お母さん」 | お子様の不登校、引きこもり、発達障害の問題でお悩みのお母さん、江東区/中央区のカウンセリング【うさぎの耳】にご相談ください。

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カサンドラ症候群と「お母さん」

2019/01/19 心理学 母として思うこと 発達障害

「発達障害」という言葉がどうやら一般的に知れ渡ってきています。

それに付随するように最近少しずつ

「カサンドラ症候群」という言葉を目にすることがありませんか?


独特の感性や価値観を持ち、
一般的なコミュニケーションを取りづらいとされる
アスペルガー症候群(以下ASと称します)の配偶者やパートナーが

情緒的な相互関係を相手とうまく取れないストレスから
身体的、精神的な障害を引き起こすことがあります。

また、世間的には問題があるとは思えないASのパートナーについての不満を口にしても
本気にされなかったり、取り合ってもらえなかったり
といった状況を招くことが多く、さらに被害を大きくしていきます。
こうした中、あくまでも自分を責め、抑うつからの身体症状も現れてきます。
ASの配偶者などに見られる

夫との共感性のないコミュニケーションによって引き起こされる障害を
カサンドラ症候群と呼んでいます。

「カサンドラ」とは太陽神アポロンに愛されたトロイの王女のことです。
アポロンの愛のこもった贈り物として与えられた「予知能力」ゆえに苦しみ、
またのちに怒ったアポロンから
「予言を誰にも信じてもらえない」という呪いを受けさらに苦しむという
ギリシア神話の説話から取られています。

 

なお、カサンドラ症候群とは正式な病名ではありません。

ASのパートナーを持ったことによって起こる障害、状態、現象といったところでしょうか。



説明が長くなりました。
お話ししたかったのは
こうした「カサンドラ症候群」的現象は

奥さん、妻、だけではなくて

不登校生のお母さんにも起こりがちです

とお伝えしたかったのです。

共通するのは
愛するがゆえに
自分が見えなくなってしまう状態を作り出してしまうことです。

 

 

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ここではお子さんに発達障害と診断されているかどうかということはちょっと

わきにおいておきたいと思います。


普通に学校生活を送っている子どもたち、とは少し違う
感覚や価値観を持った我が子には
お母さんが今まで
大切であると思ってきたもの
こうあるべきと信じてきたもの
こうなるのが当たり前と疑わなかった状況

受け入れられないことが多いです。

 

一方で
子どもが
好きだというもの
イヤだというもの

怖がること
こだわり続けること

などが
お母さんにはどうにも
理解できない場面があります。


双方ともにお互いを大切に思うことから

相手のためにやってみたり

言ってみたりすることがお互いを傷つけもします。

例えば
修学旅行の思い出は将来とても大切なものになるから
ぜひ行くべきだ、という母の思いは
今、を行きている子どもには
愛情からの言葉とは受け取れません。

子どもが
大好きなアニメキャラクターについて
自分が知っていることの全てを
大好きなお母さんに教えてあげようと
際限なく喋り続けるとしたら
それを素直に喜べるかどうかは、時と場合によりそうです。


子どもはAPであろうとなかろうと
親ほどの共感力はありません。
自分を守ろうとの一心で
親を傷つけるかもなどと考えることもなく
言動をぶつけます。

それでも
やはり母親は自分のせいだと思うでしょう。
修学旅行の体験もさせてやれないなんて
かわいそうなことをした
今はそんな話聞いてる場合じゃないの!なんて
きつい言い方をした…

いつも自分を責めてしまいます。


KID.jpg


 


 


 

 











学校に行かない子とお母さんは
接触時間や密度が高い分
コミュニケーションの不調も頻繁に起こることになります。

 

 

「今のうちだけよ、そのうち懐かしいと思うようにさえなるから」
子どもについての愚痴をこぼすと

そんな風に返されてちょっとがっかりしたことはありませんか。

 

 

そうじゃなくて、
本当に困っているんです。
この子のことで
自分が苦しくて仕方ないんです…
母親がそんなことを口にしてはいけない、って思っている人
まだ多いです。

子どものことは親自身の責任なのだから
他人に相談することではない
という人も。



カサンドラ症候群、なんて
新しい言葉のように取り上げられますけど
これは
不登校だったり
引き込もりだったり
ちょっと困ったことをしてたりする子の
お母さんたちにはずーっと昔からあったことのように思います。

 


お互いを大切に思い続けるあまり
お互いが同じように辛くなり

同じように憎みもします。

そして
お互いがいつも一緒にいるのに
孤独感を抱きます。

 

 



カサンドラ症候群の治療方法の一段階に
お互いが自分の性質を認めること、というのがあります。

自分はこうだから、こう思って、こういう言い方をしてしまう、

相手はああだから、ああ思って、…
仕方ないね、そうなんだから。

ああ、素敵だね、自分も相手も。
 

子ども相手にそんなことできるの?
とお思いですか?

できますよ。


学校に行きたくない、というお子さんにこそぜひ
自分はどんなタイプの人間なのか

お母さんは、お父さんは?
だからこんな風に考える

だからこうして欲しいと思ってしまう

お互いに知ってみることが
一番の早道ではないでしょうか。

 



 

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